2015年3月3日火曜日

発振回路を使った「永久コマ」

先日、リードスイッチを使った「永久コマ」を作りましたが、
今回は、弛張型発振回路を使って「永久コマ」を作ってみました。

回路のオン・オフの間隔を短くすれば、発振回路でも回るのでは?
・・・と、ひらめいたのです。

販売されている「永久コマ」は、私の知る限りでは
トランジスタ1石と2種類の太さのコイルを巻いたもの・・・
このような↓ ものだと思います。
http://www.eneene.com/omoshiro/34koma/

またネット上では、リードスイッチを使った「永久コマ」もよく紹介されています。

「弛張型発振回路の永久コマ」が優れているのは電池の寿命。
販売されてる永久コマは9Vの乾電池で約3日回るそうですが
発振回路コマは1.5Vの乾電池1本で2日以上 回ります。

リードスイッチコマは乾電池1個で、かなり高速で回りますが
数時間で止まってしまいます。(私が作ったリードスイッチコマは約8時間)

「発振回路コマ」は2日間以上回り続けます。
(今回、5個の装置を作成しましたが、
一番最長で62時間53分倒れることなく回り続けました。)

<コマの作成>

コマは全く同じように作ったつもりでも
ちょっとした精度の違いで動き方が大きく変わります。
出来れば、数個作ってみて動きのいいものを採用すればいいかと思います。

下のサイズのワッシャーとナットの中心を合わせて
エポキシ系接着剤で貼り付けます。

①が乾いてから、爪楊枝の頭を①の中心に挿入し
エポキシ系接着剤でまっすぐになるように固定します。
コマの足の部分の長さは、
ダイソーで販売されているネオジム磁石2個分より
少し長い程度(6.5~7mm)あたりが、いいような気がします。


磁石1個ずつを対称に、極性を逆にして貼ります。
磁力でくっつきますが、
エポキシ系接着剤でしっかり固定してもいいかもしれません。


つまようじはナットの上1.5~2cm程度のところで切断します。

机の上で回して、ブレがなく回転するか確認してみましょう。


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これを書いてから、暫くしてもう少し別のコマの作成方法を思いつきました。
こちらの方が簡単で、失敗なく作れるかも知れません。

100均で販売の 手で押すと走る車(フリクションカー)を分解し


フライホイールを取り出します。


軸部分を抜きます。
(結構硬いですが、ペンチを使って抜きます。円盤を曲げないように注意)


軸の刺さっていた穴をドリルで少し広げて、爪楊枝が入るようにし、
接着材で固定。磁石は上と同様に、N極とS極が別々に向くように貼ります。

軽く回って、ほとんど失敗がありませんでした。


<本体の作成>

六角ボルト(M6長さ30mm)の端にM6用のナットを留めてから
0.35mmφのポリウレタン銅線を400回巻き、セロテープで留めておきます。
コイルの両端は10cm程度残しておきます。


下の回路図のように組み立てます。

回路は弛張型発振回路です。

抵抗値やコンデンサ容量で発振間隔が変わりますが、
色々と試した結果、1μF、100kΩ、10kΩが良く回りました。
(コイルの太さや巻き数によっても最適値は異なると思います。)

上の回路図通りに組み立てたものがこちらです。
ユニバーサル基板は25mm角程度の大きさに切って使用しています。

スイッチを入れて、LEDが点滅するか確認してみましょう。
LEDは乾電池に対して、逆方向に接続しています。
順方向に接続した場合は、点灯しません。
逆方向に接続すると、コイルに流れる電流が切断される時に
大きな自己誘導起電力が発生するために、
LEDが点滅します。



これを木板にネジ及び接着剤で固定します。

ユニバーサル基板は
基板と木板の間にM4用のナットをはさんでから
小ネジで固定します。



コイルとコマの位置関係を調べます。
用意したトレイやコマの精度によって、最適なコイルとコマの位置関係が変わります。
回路のスイッチをオンにして
トレイを手で持って、コマを回し  最も動き方の良い位置を調べてみましょう。
高さが低すぎると、コマの磁石がボルト(鉄)に強く引き寄せられて、うまく回りません。
高すぎると、電磁石の影響を受けにくくなり、回転力が弱くなります。


高さが決まったら、皿を固定するための木片を作ります。
ここでは高さ22mmとし、
コイルの端に皿の中心が来るようにしました。



木板と木片、皿を接着材で固定します。

今回はこの写真の左の皿を使いましたが
右や真ん中の皿の形状でも回りました。
皿によっても回り方が違います。
(左と右はダイソーで1枚100円、真ん中はキャンドゥで2枚100円です。)

この写真の左は、フラット部分が直径約7cmあり、
コマが端に行ったときにコイルとの反応が悪く、
うまく回りません。
右の皿は中心部分がほんの少し隆起しているため、
うまく回りません。



時計から取り出したプラスチックトレイでも大変良く回りますが、
傷がつきやすく、同じところでコマが回転し続けると
削られて、くぼみが出来てしまいます。

スイッチを入れ、コマを回してみましょう。

冒頭にも書きましたが、電池の寿命を調べたところ、
単3アルカリ乾電池1個で、62時間53分 倒れることなく回り続けました。
使った電池はトライアルで販売されてる4本で59円の超格安電池。

回し始める前の電池電圧 1.618V
コマが倒れた時の電圧は 0.995V
電池を休めて9時間後、電池電圧は1.088Vまで回復しました。
再度コマを回すと、約30分回って倒れてしまいました。


コマの動き方や電池の持続時間は
皿の形状、皿とコイルの位置関係、コマの作りによっても大きく異なります。
(勿論、コイルの太さ・巻き数でも大きく異なります。)

<電圧波形の自由研究>

①発振回路こま と リードスイッチこまの違い
LEDを接続していない状態
正方向は発振回路で約1.5V、リードスイッチこまは約1.0Vです。
自己誘導起電力は 発振回路 約60V
リードスイッチコマ 約300V

自己インダクタンスは同じなので、
素早く電流が切られるリードスイッチこまの方が高くなっています。
コマが速く回転すればするほど、自己誘導起電力が高くなります。
自己誘導起電力はで表され
芯の透磁率、コイルの巻き数の二乗、コイルの断面積に比例、
コイルの長さに反比例します。
また、電流を速く切るほど、大きな自己誘導起電力が発生します。       

LEDを接続した状態
正方向は発振回路で約1.5V、リードスイッチこまは約1.0Vです。
自己誘導起電力は 発振回路 約7V (青色LED接続)
リードスイッチコマ も 約7V (青色LED接続)
周期は発振回路コマの方が長い上に、
オフになっている時間が長く存在します。
このオフタイムの長いことが、長時間回り続ける理由だと思います。


②発振回路こま のコマを回していないときと回したとき
発振回路のコマを回転させていない時と回転させた時を比較してみました。
コマを回転させた状態の方が、周期が短くなっています。
コマに貼り付けた磁石が、コイルに近付くか離れるときに電磁誘導が発生して
電圧が上昇し、発振間隔が短くなっています。
コマは最初、手で回さないといけませんが、
最初にいくら速く回しても
徐々にこの発振周波数に回転数を合わせて
うまく同期出来るようになるのでは?
と考えてみましたが、いかがでしょうか?

③LEDにかかる電圧について
LEDは順方向に約7Vの電圧がかかっています。
しかし!! 今回使用した青色LEDの順方向電圧の
最大定格は約5V程度(順方向電流が25mA流れたときの電圧)です。
(逆方向の電圧は逆電圧最大定格5Vに対して1.0Vなので問題なし)

LED2個を直列に入れると、1個あたりに7V(2個で14V)がかかります。

LED1個と直列に抵抗100Ωを入れると、
LEDにかかる電圧は約5Vになりました。
(LEDの光り方は悪くなります。)


今回はこの対策をとらず、LED1個だけを接続した状態で
1週間程度コマを回し続けましたが、
LEDに特別な変化は見られませんでした。
(徐々に壊れて、光り方が悪くなるなどの変化はなし、温度上昇もなし)
数か月、数年と回し続ければ、LEDが徐々に壊れるかもしれません。
今回の装置は発振回路になっているので、
少々のオーバーになら耐えてくれるかも知れません。

気になる場合は、抵抗100ΩをLEDと直列に入れるか
LEDを入れなくってもいいかな?と思います。


<2016年7月14日付記>
この作品(発振回路の「永久コマ」) は私が考案したつもりでいました。
勿論、他のサイトや本などを真似して作ったわけではなく
その延長で思いついたものです。

ところが・・・
先日「電子工作大図鑑 作ってきたえて能力アップ!」という本を
古本で購入して見ていたところ・・・
なんと「AQコマ」という名称で掲載されてました。
私の作品と違う点は、
コイルを2つに分けてあり、その間でコマを回す仕組みになっていました。

(Flashで作成しているため、スマホや携帯で見れない場合があります。)


「発振回路を使った永久コマ」 は、上橋智恵が考案したつもりになっていた作品です。





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